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2005年3月12日 (土)

人間の大きさ

会社の日本の戻り先部署と連絡をとった。

日本への郷愁と同時に、多忙かつ、報われない
日々(こちらでは毎日6時前には帰宅)が思い起こされ、
少々気がめいった。

そして、将来の見えない現在の会社をスピンアウトすることを
真剣に考えた。

仕事をちゃっちゃと終えて、次席でぼんやりイメージをしてみた。
どれだけ資本金を用意すべきか。
どのように資金を運転してゆくか。
どのくらいの規模ではじめるか。
どんな成長カーブを仮定するか。
どんな事業分野でやってゆくか。

あまり具体的にはならなかった。
私の力の限界である。
誰が私を信用し、出資してくれるだろう。
誰が私を信用し、一緒に働いてくれるだろう。

顧客やら債権者に軽くみられ、屈辱を味わうような場面が想像された。
事業が成長せず、社員がふてくされて、自分が何から手をつけたらよいか
わからなくなってあたふたしている様も想像された。

大学でつくったサークルをつぶしたときの経験がよみがえる。

私には確実に弱みがある。

対人折衝を面倒くさく感じてしまう。
自信をなくした時の自分の弱さは、恐ろしい。
つらい事から逃げてしまうようなところがある。
サボりぐせもある。

こういったところを律することができなければ、
きっと起業しても失敗するだけだろう。

アイディアを出したり、いい波がきたときにそれに乗るのは
なかなか得意なのかもしれない。また、執念でものづくりをしたり、
何か目標を意地になって達成するのも比較的得意とするところだろう。

さて、こんな風に冷静に自分が見えるのは、ある本を立ち読みした
おかげである。その本に出会ったのはつい30分前、会社の帰りに
旭屋書店での立ち読みタイムの話である。

今日、仕事の合間に読売オンラインを見た。
フジテレビVSライブドアの件で、ライブドア側に有利な判決が出た
との記事だった。

会社のM&Aだとか、なんだか大きな話でかっこいい。
私は、3つしか年のかわらない堀江隆文ライブドア社長が
日本をにぎわしているのを、正直うらやましく思う。

一方私は、目の前のボロボロシステムのボロなおしを
やっている。朝から晩まで、データベースにSQLを投げては
ワードのテスト実績書書きだ。

日本に帰っても、待っているのは、夢も目標も持てず、
士気の低いチームと、マクロに見れば意味のない雑用の山。


3年後ぐらいを目処にスピンアウトしかないと思った。
入社の時からベンチャー立ち上げは考えていた。
NY1年研修なんていう餌のおかげで、少々
トーンダウンしていたのだが、やはりいつかはやってみたい。

というか、やってみたいという以前に、このままでは
埋もれるという危機感が強い。

速度の速いIT分野にいて、大企業だということで胡坐を
かいて化石化しているような人々に、一生懸命
失礼にならないように説いて回りながら仕事しているのでは
スピードが追いつかない。私一人のエネルギーではなんともならない。

高コスト、商談とれない、人があまっている、
数字あわせや社内資料づくり。魅力のない商品を売り込む
パワーポイント作り。。 

必死になって打開策を考えても、渦巻く負のエネルギーで
すべてがかき消される。。誰も応援すらしてくれない。

世の中には、両手両足に立派なジェット装備をつけて
飛び回っている人間がいる。
一方、ここに、両手両足を縛られながら、必死にぴょんぴょん
目的地に向かって寝返りを打っている男がいる。

私もせめて、普通に歩きたい。
そんな想いが実は常にあった。
あの日常に戻るのが少々怖いという部分もある。

ということで、起業気分の私は、仕事を終えた後、
旭屋書店のビジネスコーナーに向かったわけだ。

今できることは、勉強である。
起業してから勉強するようなことであってはならない。
給料もらって生活できているうちに勉強だ。

やはりMBAをとっておいたほうが、市場からの信頼は
得られるんだろうなぁ。。などと、MBA留学中の友人たちを
うらやましく思う。しかし、マッキンゼーやボスコンにいっている
友人たちは、「MBAなんかなくたっていい。2年は時間の無駄だ。」
と言い切っていた。

どちらにせよ、私が経営に関する知識が貧困なのは明白だ。

 #先日、弁護士を目指す友人と電話で会話し、
 #「日本は核武装すべきか」という話題で盛り上がっていた中で、
 #私の無知が露呈した。
 #私はビジネスの世界に身をおきながら、
 #市場というものについての認識があまりに稚拙であった。
 #
 #「BSEかもしれない牛肉を買わないと経済制裁だ」などという
 #アメリカの横柄さを引き合いに、
#「沖の鳥島で核実験をして核武装すべき」
 #と言った私に対し、彼は
 #「もう軍事の時代ではない、政治の時代でもない」
 #と、市場の話をベースに諭してくれた。
 #その話に半分ついていけない自分が情けなかった;;

というわけで、まず手に取ったのが、

米倉誠一郎著「企業家の条件」

立ち読みしていて、適当に拾い読みした数ページのなかで、3回ほど
大きく頷き、10回ほど小さく頷いた。 →「買い」である

MBAなんちゃらシリーズという銀色の本にも目がいったが、
なんだか棚の高いところにあるのと、何冊もあると多分途中で挫折するだろう
ということで、手にも取らなかった。 

本というのは、楽しく読んで大きく頷いて(または首を横に振って)
自らをインスパイアし、そして自分が成長しなくては意味がない。

百科事典や、両さんの漫画ならともかく、こういった本が
シリーズ化されていても、魅力はゼロである。
(なんか、ぱっと見かっこいいし、ありがたみがありそうだけどね。。)

ただし、
そのシリーズものの中で「財務」の部分の本には関心があった。
自分、昔から起業を考えていたので、財務やら簿記やらの本は
何冊も買って読んだつもりなのだが、いまだまったく本質をつかんでおらず、
財務諸表をみてなにかピンときたりするような力がまったくないのだ。
コンプレックスである。

 #高校時代の親友は今公認会計士になっている。
 #また、先日はCPA受験にNYを訪れた別の友人と
 #ミュージカルを見たばかりだ。
 #身近な逸材に、会計の真髄を教えてもらいたいものである。
 #が、たいてい身近な逸材というものとは、馬鹿話しか
 #しないものである。世の中難しい。。

ということで、もうちょっと低い場所にある
一冊モノの財務会計の本にも手を伸ばしたが、
どうも、このあたりは、会社が軌道に乗ってからの話な気がして、
あまり学習意欲がそそられない。

「今すぐ1億円を調達する方法」という本には少々興味を持った。
非常に具体的に各種資金調達方法が記述されていた。
が、グリーンシートなんとかという方法がお勧めらしく、
そこに話が偏っていたところに少々「まわしもの?」的な
臭いを感じ、購入を見送った。(勉強せねばならぬことではあるだろうが。。)

まあ、一度に何冊も読めるわけじゃないし、、ということで、
「企業家の条件」1冊をレジに持っていこうとしたところで、
一冊の本が目に入った。

「日々これ掃除」 イエローハット相談役 鍵山秀三郎

この本が本題である。

私は、掃除ができない人間である。
掃除という、日々やってもやっても終わらない非創造的作業に、
「くだらん」「だれかにやらせとけ」というレッテルを
どこかに貼って生きてきたところがある。

「だれか」とは、具体的には、実家にいるときは母。
お付き合いしている女性がいるときは、その女性であった。

しかし、掃除とは、整理整頓であり、これは、
ビジネスの事業再編成やらなにやら、そういう話とも
つながる話であることにようやく数年前気づいた。

さらに言えば、私の生業とする
システム構築とは、これ、整理整頓である。
リファクタリングとは掃除である。

掃除というものの価値見直しが数年前に始まり、
わが人格内は、まさに「掃除ルネッサンス」なのである。 

#そういうわけで、現在は、てきぱきと掃除のできる
#母を心から尊敬している。

「掃除ルネッサンス」ならば、私の部屋はさぞかし綺麗なんだろう。
と思う人は、私のことを知らない人だけである。

友人たちには既知のとおり、私の部屋は相変わらず汚い。
残念なことに、私の中には復興すべき
掃除文化が、有史以来存在しないのである;;
つまり私の掃除ルネッサンスは、ゲルマン人の
ルネッサンスのようなものである。

とにかく、そういった背景で、ちょっと気になったのだ。
経営コーナーにある、「日々、これ掃除」というタイトル。
私の掃除ルネッサンスと共鳴してしまうわけである。

そして手にとって読んでみると、、、感激。。

MBAだの財務だの、資金だの、。。競争だの、、
ハッタリだの、見下されるのがいやだの、
。。そりゃ、そのあたりもそこそこ大事だけどね。。

その前に人間として、立派じゃなくちゃなぁ。。

男は強くなくては生きてゆけない。
やさしくなくては生きてゆく資格がない。

  私は、人間を磨かねばならないようです。
  そして、私も、笑顔のおじいさんになりたいです。

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